「イクメン?自分の子どもなんだから育てて当然だろ。何がイクメンだよ、馬鹿野郎」
先日、ブログにこんなコメントがありました。
中々、刺激的な言葉ですね。正直ムカッとしてしまいました。
一呼吸して、改めて読み直しました。
「イクメン?自分の子どもなんだから育てて当然だろ。何がイクメンだよ、馬鹿野郎」
この言葉の言っている事は間違っていはいない。「自分の子どもなんだから育てて当然だろ」の部分は確かに納得できる。
だけど、何か違和感が残る。
なんでだろう?
少し考えて、答えがわかりました。
違和感の正体、それは...
「奥さん」について、全く触れられていないこと
僕が思うにイクメンとは、子どもよりも奥さんとの関係が重要です。(子どもとの関係が重要じゃない、といっている訳ではありませんよ)
いくら子どもと沢山遊んで、育児もしているつもりだったとしても、それだけでイクメンとはならないんです。
イクメンとは「俺ってイクメンだから」と自分で定義づけるものでもないし、他の人が「イクメンですね」と定義づけるものでもありません。
奥さんが「ウチのパパは、イクメンで助かるな」と思っていたらそれが全てです。自分を含め他の人がいくら「イクメン」と言っていても、奥さんが「イクメン」だと思っていなければイクメンではありません。
逆に、自分では「平日は、いつも夕食を一緒に食べられないし俺ってイクメンとは、ほど遠いなー」と思っていても、
奥さんが「ウチのパパは毎日残業で夕食一緒に食べられないけど、空いてる時間には何も言わなくても家事・育児を手伝ってくれる。ウチのパパは、イクメンで良かったなー。」と思っていたら立派なイクメンです。
巷で言われているようなイクメンの定義や条件て、実は意味が無いんです。
その人がイクメンたる所以、それは
「奥さんがイクメンだと言っているから」
です。
それ以外の理由はありません。
正直、「イクメン」という言葉自体に抵抗を覚える人もいます。でもそれは、子持ちで働いている女性が「ワーキングマザー」と呼ばれるのと一緒です。
子持ちの女性が働くのだって普通で当たり前なはずでしょ?では、なんでわざわざ「ワーキングマザー」という言葉があるのか?
それは、言葉があることによってある種の力が動くからです。
言葉には、それまで普通だと思われていた常識を覆し社会を変える力があります。
ワーキングマザーという言葉が生まれたのは1980年代頃だと思いますが、それから20年以上たって、ようやく少しずつ子持ちの女性が働きやすいように環境ができてきました。(それでも、まだまだ全然十分ではないですが。。)
イクメンも一緒です。子持ちの男性が働いて、育児も家事も主体的にやるのって普通で当たり前です。でも、今の環境(社会/会社)はそうなっていません。
だから、わかりやすい言葉が必要なんです。
NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんがおっしゃっていた言葉に「イクメンは[ゆるワード]ではなく世直しである」という言葉がありました。
※駒崎さんの記事はコチラ
僕もその通りだと思います。
イクメンを単なるブームで終らせずに、イクメンが普通の世の中になること。
子どもが大きくなった時に「君たちが小さい時は、イクメンていう言葉があってね」と、話せるくらい当たり前になること。
そういう社会を目指して、自分の出来る事から少しずつ社会を変えられたらいいなと思います。
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コメント
育メンの考え方としてとても共感できます。ありがとうございます。
その意見、大賛成!育児してるママを、パパが「手伝う」んじゃなくて一緒に協力しながら育てるスタンスが社会に定着したら出産率もあがるんじゃないかしら~?私の周りにいる2人目を躊躇しているママたちはたいてい、パパが育児に無関心か、大変さをわかってもらえてない人がほとんどだよ~。
こりおさん>共感していただいて、ありがとうございます。この考え方が広まっていけば良いなと考えてます。ERI>やっぱり、一度パパだけで一日子どもを預かってみて、如何に大変かを早めに実感するしかないんじゃなかな?それでも、大変さがわからないパパだったら残念すぎるけどね。
感動しました。昨日、奥さんから「パパがイクメンで本当に助かってる」と言われたばかりです。俺は間違ってなかったんだと思いました。
トッティさん>読んでいただいてありがとうございます。奥さんからの感謝の言葉、嬉しいですね。感謝の気持ちも言葉に出さないと中々伝わらないですからね。素晴らしい!
「わが子を育てるのは当たり前」私もそう思います。夫が子どもを「預かる」もおかしい。家事も同じですが、やらない人が標準以下なのであって、その程度のことを「私はやっている」と自慢げに語る人を見るとむしろ恥ずかしくなります。「イクメン」あるいは「カジメン」は、当たり前のことを声高にアピールしなければならないほど未成熟な社会であることを象徴する代表的な言葉であると解釈しています。
今更のコメントですいません。
ご無沙汰してます「イクメン」Daddyです(笑)
同じ様な言葉を何度となく言われてきたので、ウンウンと頷きながら読ませていただきました。
僕も以前、駒崎さんと「イクメン」という言葉が持つ意味についてお話したことがありますが、他の方のコメントにもある様に「その程度で」が人それぞれ異なる尺度で語られるので、この議論って尽きないですよね。。。
Nakanoさん、ご無沙汰しております。ochiです。
記事読んでいただき、ありがとうございます。
「イクメン」という言葉については、本当に議論がつきないですよね。
イクメンブームも去って、社会に定着していくかどうかという局面だと思うので、こうした議論が忘れられずに今後も出てくると良いですね。